販促における撮影の重要性について
自社の広告物を含めて、専門の撮影業者に撮影を依頼する方は未だに少ない印象を受けます。しかし同時に、撮影を専門業者に依頼されている会社(店舗)の経営状況は非常に良い印象を多く受けます。広告・販促物における「撮影の重要性とは何か」を考えた時に、現代におけるInstagramを参考にされると理解が深まると考えます。
撮影にも多くの種類が存在します。記念撮影や旅行時の撮影は現像(アルバム作成等)することを前提に撮影される特徴があります。記念事や想い出を形として残すための“手段”として撮影が行われます。つまり、撮影は“目的”ではなく、記念の“モノ”を作成するための“手段”となります。基本的に撮影とは“目的”ではなく、目的達成のための“手段”となります。
では、Instagramはどうでしょうか。Instagramでは“良いね(承認欲求)”を獲得することが大きな目的となります。この“良いね(承認欲求)”をできる限り多く獲得するために、同じ写真を角度を変え、ピントを変え、距離を変え、何枚も撮影し、その何枚もの写真の中からベストショットを探し、SNSに投稿します。この写真により多くの“良いね”が評価されることで、自身のInstagramを見る方が増加し、注目度が高まり、益々“良いね”が増加します。この作業を継続的に行っていくことで自身のInstagramは拡大し、やがてインフルエンサーとして影響力を発揮するようになります。
また、どんなに写真が綺麗に撮れていても、見る者にとっての興味関心事からズレていると、全く反応はありません。だからこそ話題の商品をいち早く購入して撮影しようとしたり、話題の場所へ我先に出向いていき撮影しようとし、自身の“良いね(承認欲求)”を少しでも多く獲得するために見られ方を重視します。
このInstagramの活動は広告・販促と非常に酷似しています。まず、顧客が何を求めているのかを前提に、自社の商品やサービスの被写体を考慮し、1人でも多くの方に来店・購入して頂くために、角度に拘り、照度に拘り、見え方に拘り、何十枚(時に何百枚)の中からのベストショットを探し、少しでも多く“良いね”と感じてもらうことが販促・商用撮影の原点となります。
同じような写真(画像)でも、ほんの少しの違いで見え方は変わってきます。その違いによって集客自体が変わってくるからこそ、Instagramよりも拘った撮影を行わなければなりません。
ほんの少しの違いの掛け算が大きな差へと繋がり、少しの効果の積み重ね(足し算)が継続し、大きな効果へと繋がります。そしてやがて影響力のある会社(Instagramでいうインフルエンサー)へと転換していきます。
販売促進において、撮影がいかに重要かを現代ではInstagramが証明していると私たちは感じています。スマホ時代だからこそ、撮影を最大限に活用して頂きたいと考えております。是非、撮影のお問い合わせをお待ちしております。
【初めての撮影は“入口”】
撮影を専門業者に初めて依頼される方からは「何を撮影すれば良いか分からない」という言葉を多く頂戴します。初めての撮影時は、基本的に弊社の経験により撮影内容を提案させて頂きます。その撮影の中で、1枚1枚の被写体に拘り、1カット1カットの映像に拘り、撮影を繰り返していくことで、自然と「これも撮影してください」という要望が増えていきます。撮影を繰り返していくことで“何をどのように撮影して、どのような広告を作りたいか”という創造力がかき立てられます。その創造力こそが、今後の自社(商品・サービス)にオリジナリティを発揮させ、他社との差別化へと発展します。
初めての撮影は“入口”です。撮影を通して、今後の販促・広告内容へのクリエイティビティが発揮され、効果と共に拡大していくからこそ、撮影を専門業者に依頼される会社(店舗)の経営状態は良い印象を受けると考えます。
以下内容により、広告・販促における撮影の基本的な考え方と被写体の選択について理解を深めていただければと考えます。
■媒体の重要性について
【広告理論】
■媒体の重要性について
【広告理論】
広告理論においては、1920年代アメリカで理論化されたAIDMA理論が有名です。AIDMA理論とは、消費者はA(Attention)により注意喚起され、I(Interest)興味関心を持ち、D(Desire)欲しくなり、M(Memory)記憶し、A(Action)購入する。という理論に基づいています。Attentionとは広告・宣伝の能動的な活動を意味し、受動的に来客を待つのではなく、消費者(利用者)に対して発信すること(注意喚起)の大切さを意味します。その発信する媒体にInterest(興味)を抱かせることで、D(Desire)欲しいと思った後、その場所に行ってA(Action)購入する。という流れになります。広告を見る(欲しいと感じる)場所と購入する場所が異なるために、記憶が必要となります。そのために店や会社の地図や外観を広告物に分りやすく掲載したり、画像にインパクトを与えたり、キャッチフレーズを頭に残りやすいフレーズにすることが重要となります。AIDMA理論においては、現代においても非常に有効な戦略となります。
外観撮影、看板撮影、商品(サービス)撮影、インパクトや記憶に残る被写体撮影が重要。
AIDMA理論に次いで提唱されたのが、AISAS理論です。AISAS理論とは、2004年に電通により提唱された理論です。A(Attention)により注意喚起され、I(Interest)興味関心を持つと、消費者はS(Search)インターネット等で検索し(他社比較)、A(Action)購入し、その後に情報をS(Share)するという理論です。現在の口コミサイトや価格比較サイトが、その象徴となります。AISAS理論においてはインターネット時代の新たな購買モデルとされ、AIDMA理論同様、非常に有効となっています。つまり、口コミサイトへの登録の有効性とインターネットで検索されることの必要性があります。インターネット(HP等)を活用していないと、注意喚起しても、Searchされないということです。また自社が能動的に広告・販促を実行しても他社が検索され、消費者を他社に誘導してしまうこともあるということになります。
口コミサイトへ掲載する画像の充実、ホームページ用の撮影はInstagramのような戦略が重要。また言葉として"耳”にフレーズを残すというプラスアルファなら映像(動画)への言葉のキャッチフレーズが重要となります。
【広告・販促エリアと頻度について】
通常、商品(サービス)は“最寄り品”と“買い回り品”とに分類されます。“最寄り品”とは、身近なトイレタリー商品がメインとなります(代表例として、卵・パン・ティッシュ等)。“買い回り品”とは購入頻度が低いものや高価なものとなります(代表例として、家・車・宝石等)。消費者は“最寄り品”を購入しようとするとき、行動範囲は狭くなります。卵を買いに隣町まで行かれる方は少ないということです。つまり、生活に関連性の強い商品(サービス)においては商圏は狭いということになります。一方で“買い回り品”を購入しようとするとき、消費者は、より良いものを選ぼうとし、行動範囲は広くなります。
以上のことにより、生活に関連性が強い商品(サービス)においては、商圏は狭く、高価なものや嗜好性の強いもの(サービス)においては、商圏が広くなるという傾向があります。
自社の取扱う商品(サービス)が“最寄り品”に近い場合は、近隣地域への広告・販促が重要となります。そして“買い回り品”を取扱う場合は広範囲への販促が必要となります。
例えば、美容室の場合で考えると、通常のカットやカラーは自宅近辺の美容室を探す消費者が多いですが、癖毛がひどい方は遠くへ出向いても良い美容室を探そうとするということです。病院においても、風邪なら近くの病院を探しますが、重病だと遠くても探すということになります。
また、“最寄り品”では地域への広告頻度を高めることで、認知度向上が重要となり、同時に地域密着を戦略化するために“好感度”が重要となります。折込・ポスティング・看板・タペストリー・ポスター等が媒体として有効となり、この媒体にスタッフ等の好感度を意識した画像や映像を掲載することで効果が高まります。“買い回り品”に関しては頻度よりも内容(他社との差別化)を重視する必要性があり、商圏も広くなるので広告手法としてはテレビCM・インターネット広告等が有効となります。撮影においても、高級感や細部まで可視化する演出が必要となります。
外観撮影、商品(サービス)撮影、他社との差別化を可視化するために商品(サービス)に応じた見せ方を意識した撮影が重要。言葉のキャッチフレーズ(動画・映像)
【製品(サービス)のライフサイクル】
製品(サービス)にはライフサイクルがあります。新製品(新サービス)が導入されてから、導入期・成長期・成熟期・衰退期とライフサイクルが経過します。新商品(新サービス)が導入されて間もない時期、例えば会社や店舗が開店したての際は、情報提供型広告(説明書)が重視され、成長期(ある程度、開店から認知度が向上した時期)になると他社との違いが重要となります。また(商品やサービスが一般化している)成熟期となると、認知度が最も重要となります。衰退期では価格競争となり値下げが主な戦略となります。
自社(自店)が開店したとき、成長期、成熟期においても広告内容で重視する内容は異なります。
開店時:外観・内観・スタッフ・商品(サービス)撮影、説明書作成。
成長期:他社との違いを差別化する商品(サービス)撮影。
成熟期:看板・ロゴ・スタッフ好感度撮影が中心。
衰退期:撮影よりも値下げをPR。
【サービス業における知覚リスクの軽減】
サービス業においては“知覚リスク”を考慮する必要があります。“知覚リスク”とは、(特に)サービスを購入しようとするとき、事前にサービスの品質を理解することが出来ないことによる購入リスクとなります。特に高額なサービス財や個人にとっての悩みの度合いが強いサービスの“知覚リスク”は購入前に様々な不安や懸念を抱かせます。“知覚リスク”を軽減するためには、撮影においても内観・商品(サービス)・代表者(店長)・スタッフ・価格を可視化することが重要となります。
口コミサイト等では料理の画像やメニュー表画像が多く投稿されていますが、これも“知覚リスク”を軽減させるための消費者間のShareとして判断することができます(人物画像は消費者から投稿されません。自社側からの能動的な投稿が重要となります)。
内観撮影・商品(サービス)撮影・代表者(スタッフ)撮影が重要。特に人物撮影においては積極的に可視化することが重要。
【好感度を上げるために】
“ザイアンスの法則”と呼ばれる心理学があります。“ザイアンスの法則”とは、ヒトは繰り返し相手の顔を認識することで、好感度が上がるという心理学となります。広告・販促において人物(代表者及びスタッフ)の画像や映像が多く組み込まれることで心理的に好感度が向上する効果をもたらします。もちろん、表情や仕草等も重要となります。好感度を高める人物撮影は継続的な好感度向上効果をもたらします。
表情・照度(イメージ)にこだわり、ベストショットを追求する撮影が好感度を上げ、その繰り返し(蓄積)により影響力が次第に育成される。
【販促における撮影の重要性】
広告・販売促進においての撮影とは、以上のような戦略を踏まえた上で、細かな仕草・照度・角度・影・空間・商品を消費者心理に寄り添って画像・映像処理する必要があります。本当の差別化とは明確な“差別”ではなく、小さな違いの蓄積にあり、小さな違いの蓄積こそが最も模倣困難な“差別化”となります。
現代において、スマートフォンカメラ等を代表に撮影機器が溢れる社会だからこそ、フォロワー(ファン)を増やすために撮影を戦略化し、お客様からの“良いね”を増やす取組が重要になると考えます。
私どもは、撮影を通して、広告・販促と真っ直ぐに向き合い、小さな“差別”の蓄積を業としております。
是非、お問い合わせください。お待ちしております。